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きょうかのこむすめどうじょうじ
京鹿子娘道成寺
酒井 嘉七
線上閱讀酒井 嘉七《京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,841 字 · 49 頁
その人達が、第一に嫌疑をうけねばならないのではあるまいか」
――と、重ねて、仰せになるでございましょう。しかし、あの扮装には、後見は一人もついていなかったのでございます。
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ご存じになりますように、娘道成寺の所作事で、白拍子の鐘入りになりますと、その役者は、蛇体に扮装いたしますためと、顔の隈をとりますために、すっぽんから、奈落へ抜けまして、半四郎のような名代役者でございますれば、四五人もの後見の手をかりて、隈どりをしたり、変化のこしらえをしたりするのでございます――つまり、舞台に伏せられた鐘の中で扮装をせずに、すっぽんから、舞台下に抜け、そこで総ての用意をすませて、時間がくれば、またもとの、鐘の中へせり上るのでございます。ところが、この半四郎という俳優は、鐘入りの場合に、決して、奈落へ抜けなかったのでございます。鐘が下りますと、舞台の上で、造りものの鐘に伏せられたまま、自分一人で蛇体の扮装をととのえ、隈どりももちろん、自分でなさっていたのでございます。……こうした話を聞きますと、誰しも、あのようなひとが、何故に、後見の手も借りずに、そうした不自由なことをなさるのであろうか――と、不審にお考えになるのでございます。