輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
こんにちのぶんがくのてんぼう
今日の文学の展望
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《今日の文学の展望(こんにちのぶんがくのてんぼう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 43,109 字 · 83 頁
さて、「私小説」の問題をめぐって、小林氏は些か客観的に分析を試みようとしたが、氏が、自然主義時代における日本の思想がはるかにおくれた地盤にのこされていたことを観察しつつ、そのおくれている社会的理由を今日及び明日における日本文化発展のための足枷として見ていないところが注目を要する。
「ロシアの十九世紀半の若い作家は殆ど気狂い染みた身ぶりで」「新しい思想を育てる地盤はなくても新しい思想に酔」ったが「わが国の作家達はこれを行わなかった。行えなかったのではない、行う必要を認めなかったのだ。」「文学自体に外から生き物のように働きかける思想の力というようなものは当時の作家が夢にも考えなかったものである」と肯定されている。(引用、一九三六『文芸年鑑』)
世界思想史について些の常識を有する者には小林氏の以上のようなロシア文学史についての見解はそれなり賛同しかねるであろうし、特に明治社会と文化との生成の間、全く未開のまま通過され異質のものに覆われてしまった中江兆民の時代の思想の意義を、抹殺していることは、小林氏がこの私小説論の後、変化しゆく情勢につれて、文学における批判精神の不用論をとなえ、主観的日本的なるものの主唱者の一人となり、科学精神否定に至った必然の要因を語っているのである。