輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
げんろくじゅうさんねん
元禄十三年
林 不忘
線上閱讀林 不忘《元禄十三年(げんろくじゅうさんねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 20,586 字 · 42 頁
われながら、笑止。」
「とすましておられて、それでよいのか。」
「よいも悪いも、知らぬことはどうにもならぬげな。」
憎さげに口びるを噛んで、吉良は、もう、顔いろが変りかけてきた。
「知らぬことは、どうにもならぬ? よく、さような口が――。」
「が、また、そこはよくしたもので、こうしておれば、貴殿のような親切な仁が、何かと教えてくれるであろうから、まあ、どうにかなるでしょう。などと考えて、あえてあわてませぬ。」
「多用です。お手前ごときを弄して、暇を欠かしてはおられん。が、当日さし上げるお料理の儀は、いうまでもなく御存じでありましょう。」
「それも御存じないから、呆れたものですな。」
「美濃殿!」
吉良は、この岡部美濃という人間は、莫迦なのか偉いのか、わからなくなって、焦だった声を出した。
「おふざけ召さるる場合でない。手前の落度になりますから、これだけ申し上げておく――お着の日、御饗餐は、魚類をいといます。精進料理ですぞ。」
美濃守は、弟の辰馬と、このごろまるで筆談のようなことをしているのだった。
今朝も、出がけに辰馬がそっと机上に書いておいた紙片を、美濃守は見ないふりをして、素早く読んできていた。