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ひかりあういのち

光り合ういのち

倉田 百三

線上閱讀倉田 百三《光り合ういのち(ひかりあういのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,439 字 · 263 頁

青空文庫

その畑の柿の樹に登って、柿をぱくつきながら私はよくその家をのぞき込んだ。

おまんと言う丸ぽちゃの妓がいた。この妓は私を可愛いがってくれた。

「坊ちゃん、柿をほって下さいな」

「ほうら」

と言って私は小枝ぐるみ折って、その妓の部屋に投げこんでやった。

心易くなったので、私は近所の子供なみに、

「おまんさんのお尻ぴいーんこ、ぴいーんこ」

と言ってからかった。

この妓は信心深く、金毘羅さんにお百度を踏んでいた。お百度参りというものを私は初めて知った。手を合わせて拝んでは、おみくじを一本折って、又長い馬場を上り、下りしていた。若くて身を沈めたこの妓がどんな苦しみと祈願があったものか、幼い私の知るよしもなかった。

その年に豊姉の病気は治った。私は義兄が仏間の父母の前で、「もう遊びません」と誓ってるところを見た。

私の町では燕の巣のある家が多く、夏には街の空を燕が縦横に飛び交うていた。そして街幅は広く、人通りは少なく、私たちのいい遊び場だった。私たちは「源平」とか「津軽」とかいう遊び、又賊と官と分れて、探してつかまえる遊びをした。

その中で私の記憶に深く残ってるのは「子買い遊び」