輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

やつがたけのまじん

八ヶ嶽の魔神

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《八ヶ嶽の魔神(やつがたけのまじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 160,664 字 · 323 頁

青空文庫

足音をさえ立てまいとした。妨害されるのを恐れたからであった。

境内を出ると馬道であった。それを突っ切って仲町へ出た。田原町の方へ突進した。清島町、稲荷町、車坂を抜けて山下へ出、黒門町から広小路、こうして神田の大通りへ出た。

神田辺りはやや騒がしく、町人達は門へ出て、芝の大火を眺めていた。

その前を逞しい男ばかりの、五十人の大勢が、丸く塊まって通り抜けた。刀や槍を持っていた。

町の人達は仰天した。だが遮ろうとはしなかった。その威勢に恐れたからであった。

芝の火事は大きくなったと見え、火の手が町の屋根越しに、天を焼いて真っ赤に見えた。

窩人の一団は走って行った。室町を経て日本橋を通って京橋へ出た。

こうして一団は銀座へ出た。

と、行手から真っ黒に塊まり、大勢の人影が走って来た。

それは水狐族と信者とであった。

こうして二種族は衝突した。

初めて鬨の声が上げられた。

二二

鏡葉之助はどうしたろう?

この時鏡葉之助は、裏町伝いに根岸に向かい、皆川町の辺を走っていた。

彼はたった一人であった。獣達の姿は見えなかった。豹も狼も土佐犬も、道々火消しや役人や、町の人達に退治られた。