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かんこんそうさいはかせ

冠婚葬祭博士

佐々木 邦

線上閱讀佐々木 邦《冠婚葬祭博士(かんこんそうさいはかせ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,762 字 · 30 頁

青空文庫

「光子さん、これが宮崎君だよ。宮崎君、これが家内の光子です」

と清水君は一々名を呼んで紹介した。

夫婦と女中きりで、小ぢんまりした家だった。座敷にピアノが置いてあった。殆んど六畳間の三分の一を占めている。食事中、清水君は種々と家庭の消息を伝えた。

「そのピアノですよ、身分不相応なのは」

「はゝあ、大きなものですね」

「これの兄が独逸から帰る時、序に買って来たんです。こゝへ持ち込むのに大変でした。そら、畳が少し凹んでいるでしょう。根太が抜けたんです」

「成程」

これは僕も聞いていた。奥さんはピアノとベッドを持って来た。この二つが場所を取って仕方がないと言うのだった。尚お奥さんの里はお父さんも兄さんも医学博士で、病院を経営している。これも清水君の得意とするところらしい。

「家内の里は病院をやっているんですよ」

「はあ」

「これはお話したと思いますが、僕も病気になれば徒で入院が出来るんです」

「ハッハヽヽ」

「しかし少しぐらい金を出しても、入院なんかしない方が得ですから、こんな特権は何にもなりません。君はもっと有効なところから貰う方が宜いですよ」

「何ういうところが一番得でしょうか?」