輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
しょや
初夜
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《初夜(しょや)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 17,384 字 · 35 頁
「つきましては検視役として、御側より井関藤也どの、またあれなる佐藤喜十郎をお差添え願います」
「よし、両名の者みとどけてまいれ」
井関藤也はびくりとした。
「私は辞退仕ります」藤也は云った、「――私は、私はそのお役には適しません」
「貴方は小森どのと親しかった」と代二郎が云った、「――除村久良馬の切腹をみとどけるのに、貴方ほど適した人はない筈です。それとも除村を怖れて辞退なさるのですか」
「井関、みぐるしいぞ」右京亮が叫んだ、「――余が申しつけるのだ、まいれ」
藤也は平伏した。代二郎は佐藤喜十郎を見て、それから静かに座を辷った。
井関藤也は臆していた。右京亮もそんなに激怒していなかったら、彼を検視役には出さなかったかもしれない。「除村を怖れてか、――」という代二郎の言葉は、右京亮の怒りを煽ったうえに、もっと強く藤也の拒絶を抑えたようであった。佐藤喜十郎もおちつかないようすだった、彼は徒士組総支配だから登城していただけで、この騒ぎには巻きこまれたくなかったし、もとよりそんな役は引受けたくなかった。
――これはただでは済まないぞ。
彼はそう思った。除村がおとなしく腹を切るとは考えられない、集まっている者たちが切らせもしないだろう。