輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
とねのしゃくあゆ
利根の尺鮎
佐藤 垢石
線上閱讀佐藤 垢石《利根の尺鮎(とねのしゃくあゆ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 6,342 字 · 13 頁
それ以来、堰堤から上流は、まれにしか天然鮎の姿を見ぬようになったのである。堰堤から下流も、悲惨な状態を呈した。堰堤からのこぼれ水では、吾妻川の合流点から上流へ、鮎は安心して遡上し得るものでなかった。合流点と堰堤までの間には、南雲沢を頭として各所に細い自然湧水があるけれど、これは僅かに二、三百個に過ぎない。昔の水量に比べると、十分の一にも足りないのだ。
こんなふうでは、鮎は利根川への生活をあきらめるより外に術はない。
こんな結果に陥ることを予期して、利根漁業組合では、堰堤が竣成した年から、琵琶湖産の稚鮎を買い入れて、上流へも下流へも放流したのである。だが、あの大きな川へ僅かばかりの鮎を放流したところで、地球上に散在する金剛石のようなもので寥々としている。
近年も、相変わらず放流鮎を続けているが、それは十五万尾か二十万尾にしか過ぎない。それも、十五、六里にわたる範囲に放流するのであるから、釣れたとてほんの短い期間である。そこで利根川筋の釣り人は、鮎を求め上越線を利用し、こぞって越後国の魚野川の方へ遠征する次第になったのだ。
大正十三年に、岩本の名人茂市は七、八の二ヵ月で売上七百五十円の鮎を釣った。