輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぜんきてんまやけ

前記天満焼

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《前記天満焼(ぜんきてんまやけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,568 字 · 98 頁

青空文庫

そうしてお互いに間隔を置き、連絡のない他人だよ――と云ったような様子をつくり、バラバラに別れたからである。

「怪しい」と鉄之進は呟いた。

「加賀屋の手代だと偽って、昨夜深川の佐賀町河岸で、うまうま俺をたぶらかし、柏屋へ連れ込んだ連中があったが、その連中の一味かも知れない。何と云ってもこの俺は、高価の品物を持っている。奪おうと狙っている連中が、いずれは幾組もあるだろう。加賀屋源右衛門へ渡す迄は、保存の責任が俺にある。つまらない連中に関係って、もしものことがあろうものなら、使命を全うすることが出来ぬ。……そうだ、あいつらをマイてやろう」

そこで鉄之進は足を早めた。

旅籠町の方へ曲がったのである。

そこで、チラリと振り返って見た。五六人の武士が従いて来る。

「これは不可ない」と南へ反れた。

出た所が森田町である。

でまたそこで振り返って見た。やはり武士達は従いて来る。そこで今度は西へ曲がった。平右衛門町へ出たのである。

また見返らざるを得なかった。いぜんとして武士は従いて来る。

「いよいよこの俺を尾行ているらしい。間違いはない、間違いはない」

そこでまた南へ横切った。