輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ぜんきてんまやけ
前記天満焼
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《前記天満焼(ぜんきてんまやけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 48,568 字 · 98 頁
どっちを眺めても農夫などの、姿を見ることは出来なかった。
丁寧松は考え込んだ。
20
「さあどこから手を出したものか、からきし俺には見当が付かない。一ツとひとつ珠を弾くか! 柏屋の奥庭の開けずの間さ! ……二ツともう一つ珠を上げるか。久しい前から眼を着けていた、鮫島大学の問題さ。こいつもうっちゃっては置かれない。敵意を示して来たんだからなあ。……三ともう一つ珠を弾くか。加賀屋の主人の行方不明さ。そうして倅の行方不明さ……もう一つ珠を弾くとしよう。宇和島という武士も問題になる。――四ツ事件が紛糾ったってものさ。……ええとところで四ツの中で、どれが一番重大だろうかなあ?」
事件を寄せ集めて考え込んだ。
「四ツが四ツお互い同士、関係があるんじゃアないかしら?」
そんなようにも思われた。
「とすると大変な事件だがなあ」
関係がないようにも思われた。
「関係があろうがなかろうが、どっちみち皆大事件だ。わけても柏屋の開けずの間が、大変物と云わなければならない。人間五人や十人の、生死問題じゃアないんだからなア。……日本全体に関わることだ。……」
藪で小鳥が啼いている。世間の飢饉に関係なく、ほがらかに啼いているのである。