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すけごろうよざい

助五郎余罪

牧 逸馬

線上閱讀牧 逸馬《助五郎余罪(すけごろうよざい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,407 字 · 15 頁

青空文庫

それどころか、却って内心ほっとしているらしかった。別れの座なりを二つ三つ交わした後上り口まで行った助五郎は、ずかずかと引っ返して来て、何を思ったものか矢庭にお神棚の下の風呂敷を撥ね退けた。

「ほほう、お内儀、見事な羽二重が――和泉屋さんから届きやしたのう」

おろくは格子戸の方へ眼をやって、取って付けたように叫んだ。

「あれ、また俥屋の黒猫が! しいっ!」

「はっはっは」笑い声を残して助五郎はぶらりと戸外へ出た。「ははは、何もああまで誤魔化そうとするにも当るめぇに」

四

「望月の旦那ぇ」

「へぇ――おや、お見それ申しやして、へっへ、何誰さまでげしたかな」

「いや、年は老り度くねえだよ。俺はそれ、和泉屋の――」

「おっと、皆迄言わせやせん。あ、そうそう、和泉屋さんの男衆久さん――へっへ」

「その久さんでごぜえますだ」洗い晒した浴衣の襟を掻き合わせながら、又七の門を出た助五郎は足早やに下方の望月に追い着いて、

「家元さん、そこまでお供致しますべえ」

眼でも悪いのか、しょぼしょぼした目蓋を忙しなく顫わせながら、小鼓の望月は二三歩先に立って道を拾う。

「お店へはこの方が近道かね?」