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どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ

動力革命と日本の科学者

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《動力革命と日本の科学者(どうりょくかくめいとにほんのかがくしゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 13,399 字 · 27 頁

青空文庫

六 火力と原子力

こういう、いわば科学行政の問題に、科学者が発言すべきか否かは、一つの問題である。この頃の風潮では、「科学者は象牙の塔を出て、大いに民衆の為に発言すべきだ」という傾向が強いようである。しかしそれは本当に民衆の為になるものを持っている人が、発言をすべきであって、それを持たない人は、些細な具体的知識の供給者で満足しているより仕方がない。消極的なように見えるが、そういうことが、案外役に立つのである。要するにこの問題は、個人の能力と性質とによって、自由に採択さすべきことで、自分のイデオロギーで、他を律しない方がよいように思われる。

六 火力と原子力

この案では、完成後三六〇万キロの新鋭火力発電設備で、年間二三四億キロワット時の発電をすることになっている。それには石炭約一二〇〇万トンが必要である。熱効率がよく、また性能がよいためにやや低品位の石炭で間に合うので、発電量は現在の火力にくらべ、八九パーセント増すが、石炭代は一五パーセントしかふえない。

まことに結構な話であるが、これだけの石炭をずっと発電に使えるか、という問題が出てくる。現在のところは、貯炭量の激増につれ、炭鉱の不況はまさに極限に達している。