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じゅうごねん
十五年
山本 実彦
線上閱讀山本 実彦《十五年(じゅうごねん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 8,158 字 · 17 頁
クロポトキンから新マルサス主義、ギルド、レニン、リッケルト、フッサールなど目まぐるしいまで変わった学説が歓迎される。森戸君が大正八年クロポトキン事件に坐して大学を逐われてから、思想的厄難がつぎつぎに起こって来た。
越えて大正十年一月から思想界の第一人者バートランド・ラッセルが我が『改造』に執筆したときは、異常のセンセーションを惹起した。また同年七月彼が来朝したときの如き、神戸埠頭には全神戸の労働者四、五万が出迎うるの謀議が熟していたのを、そうしては、いろいろ面白からぬ現象の到来を予想して、官憲の許すところとならなかったが、それでも岸壁はものすごいまでの人の山であった。
彼は、北京で大病をしたあがりにもかかわらず慶応大学で「文明の再建」の講演をしたときなぞ、むしろ場内にはいれぬ人が多かったのであった。彼は我が国にとりては危険人物であった。その来朝したときは警察との間に、政府との間に、たいへんに面倒ないきさつがあった。彼は、そうした雰囲気にあるのを苦悩しておった。だが、彼はとても強い個性の持主ではあったが、そのときはたいへん隠忍していた。彼は英国貴族で、その性格はとても日本人には好かれた。