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なんがをかくはなし

南画を描く話

中谷 宇吉郎

線上閱讀中谷 宇吉郎《南画を描く話(なんがをかくはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,968 字 · 24 頁

青空文庫

その時は家族のものも皆一緒だったので、子供たちを秋晴れの庭で遊ばせながら、私たちは、縁側をすっかりあけ放した広い座敷で、朝から絵を描いた。「人間一度度胸をきめれば平気さといつかおっしゃいましたが、その通りですね」というような話をしながら、私はせっせと描いた。小宮さんは「うんなかなか巧いものだ」と言いながら、片っ端から賛を入れて行かれた。世の中で何が面白いといっても、こういう楽しみなことはちょっと外にはないようである。後になってその話を悪友の一人にしたら「そうか、そんなに面白いものなら、強いて禁止するまでのこともないだろう」と言った。

その時の絵の中では、コスモスがちょっとよく出来た。小宮さんは「これには俳句でなくちゃうつらないな」と言いながら、頭をひねっておられた。そして後廻しにしているうちに、どんどん時間が経って、気がついたらもう汽車の時間が迫っていた。時を惜しむというのは、こういうことを言うのであろう。「それではもう時間ですから。その絵は置いて行きますから、今度までに何か書いておいて下さい」と言ったら、小宮さんは、「うん、出来た」と筆をとって、