輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

なんばんひわもりうこんまる

南蛮秘話森右近丸

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《南蛮秘話森右近丸(なんばんひわもりうこんまる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 55,869 字 · 112 頁

青空文庫

怒りをなしたのは右近丸である。

「待て!」と一声呼びかけたが、すぐに民弥を振り返った。

「ご覧の通りの彼等の有様、人形の秘密を知った上で、ペテンにかけて買い取った様子、とうてい尋常では返しますまい。もうこうなっては止むを得ませぬ、腕を揮うは大人気ないが、今は揮わねばなりますまい。貴女にもご用意、玄女とやらいう女へ、掛かって人形をお取り返し下され、拙者は一方猪右衛門とやらへ、掛かって懲らすことに致しましょう」

腰の長太刀を引き抜いた。

「はい、それではこの妾も」云うと同時に娘の民弥はグッと懐中へ手を入れたが、キラリと抜いたは懐刀である。

「待て!」ともう一度声を掛け、逃げて行く猪右衛門の背後から、颯と一刀浴びせかけた。

「ワッ」と云う喚き! 猪右衛門だ! もんどり打って倒れたが、不思議と血潮は流れなかった。当然である。右近丸がこんな下人を切ったところで、無駄な殺生と考えて、ピッシリ峯打に後脳を、一つ喰らわせたに過ぎなかったのだから。

香具師の頭の猪右衛門は、しかし右近丸が思ったより、獰猛な性質の持主であった。打たれて地上へは倒れたが、隠し持っていた一腰を、引き抜くと翻然飛び上った。