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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
線上閱讀加藤 文太郎《単独行(たんどくこう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,799 字 · 222 頁
と誘ってみた。けれど一行はコンディションの悪い人もあるので、天気がよくなればすぐ下山しようと思っていると言った。で僕は「山を下りられるなら今僕の登ってきたシュプールが確実に残っていますから、どんなに霧が深くとも迷うことはありませんよ」と言って元気をつけてあげた。
追分からは夏道を離れて真東にコースをとり、湯川の谷の縁へ登って行く。この附近はこれまでと違って急に針葉樹が繁り、雪が深く、傾斜も急でラッセルがつらい。尾根の手前一〇〇メートルばかりで、左へ方向を変え尾根を右山に巻いて斜めに高く登って行くと一つの段へ登りつくことができる。追分から一時間である。この頃より全く霧が晴れて広い広い弥陀ヶ原が脚下に展開されてきた。ここは地図の弥陀ヶ原の弥の字から東へ登った尾根の二一〇〇メートルくらいのところである。
ここまでくると木もまばらになり、雪も締ってラッセルが楽になってきた。遥か後の方で人声がするので、振り返ってみると一行が後を追ってくるのであった。尾根の下七、八メートルくらいのところを巻きながら広い谷を一つ越すと、天狗の頂上からはるか下の平までつづいている雄大な斜面に出てきた。