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いんしょうにのこったしんさっか

印象に残った新作家

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《印象に残った新作家(いんしょうにのこったしんさっか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,344 字 · 3 頁

青空文庫

細評」というようなものを書いて見たいと思って居ります。兎に角大変な人気であり、人気のあるのは当然至極と思って居ります。寸鉄殺人的の短篇で盛んに読者を威嚇していた小酒井博士が、こういう大がかりな、そうして何処となく余悠があってフックリしていて、そうして如何にも日本的な作を作ろうとは最初の中は誰もが想像しなかったことでしょう。博士はマイクロフォンで……「探偵小説の行詰り云々」と探偵小説がどうやら行詰まったような口吻を洩らして居りましたが、「疑問の黒枠」はそれを裏切って居ります。こういう作がある以上探偵小説は行詰って居りません。で博士に抗議をして、如上の言葉は失言として取り消しを願うことに致しましょう。

少しく時期が遠退きましたが、「サンデー毎日」一月二十三日号に掲載された懸賞探偵小説甲種当選山口海旋風氏の作「レシデントの時計」を私の気附いた範囲では、何処でも、まだ誰もが批評していなかったのは不思議な事だと思って居ります。あれは勝れた作でもあり又力作でもありました。(1)南洋の風物人情の克明描写(2)新鮮で力強くてドッシリしていて、充分玄人的のその文章(3)必しも古く無いそのトリック(4)持ち重もりのするような荘重な作風(5)気宇広濶な国際的の味、等々々、堂々たるもので、二十枚三十枚の作などに、浮身をやつして