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うもんとりものちょう
右門捕物帖(一)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁
「ほしかな」
つぶやいていましたが、伝六の取り次ぎによってそれが越前侯のご用人であることがわかると、右門はおそろしくぶあいそうに命じました。
「石川杉弥のお掛かり合いならば、私宅で面会はなりませぬといっておやりよ」
ぶりぶりしながら用人のたち帰ったのを聞きすますと、右門はなおなんびとか人待ち顔に、しきりと表のほうへ耳を傾けていましたが、それからおよそ一刻ほどののち、どうやら女らしい来客の足音を聞きつけると、むくりと起き上がりながら伝六に命じました。
「今度こそ、ほしだほしだ。丁重に案内しなよ」
はたして、伝六に導かれながら、おどおどとしてそこに姿を見せた者は、まだ十六、七の可憐きわまりなき美少女でありました。さながら雨にぬれ沈んだ秋海棠をみるがごとき可憐さで、もの思わしげにうち震えていたものでしたから、座につくや同時に、右門がずばりと先手を打って尋ねました。
「越前さまのご家中でござりましょうな」
「はい……お下屋敷の奥勤めをいたしておりまする百合江と申す者でござります」
「おおかたその辺でござろうと、右門けさからお待ちうけいたしておりました。なんのためにお越しなさったかも存じてござるによって、けっしてお隠しなさってはなりませぬぞ。