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うもんとりものちょう

右門捕物帖(一)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(一)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 220,431 字 · 428 頁

青空文庫

とんがり兜もあごひげも得物の槍の三つまたも扮装は絵にある清正と同じでしたが、こっけいなことに、その清正は朝鮮タバコの長いキセルを口にくわえて、しかもうしろにはひとりの連れがありました。連れというのはなにをかくそう朝鮮の妓生で、実はその出し物が当日の呼び物になったというのも、その妓生が現われるのと、それから妓生に扮する者が、当時組屋敷小町と評判された坂上与一郎のまな娘鈴江であったからによりますが、だから見るからにほれぼれとする鈴江の妓生が出てくると、見物席からは待っていましたとばかりに、わっと拍手が起こりました。

「よおう、ご両人!」

「しっぽりと頼みますぜ!」

なぞとたいへんな騒ぎで、場内はもうわきかえるばかり――。

その中を長いキセルでぽかりぽかりと悠長な煙を吐きながら、変わり種の清正が美人の妓生とぬれ場をひとしきり演ずるというのですから、ずいぶんと人を食った清正というべきですが、それよりももっと見物をあっといわした珍趣向は、そのぬれごとのせりふが全部朝鮮語であるということでした。むろん、でたらめの朝鮮語ではありますが、ともかくも、日本語でないことばでいろごとをしようというのですから、かりにも江戸一円の警察権を預かっている八丁堀のおだんながたがくふうした趣向にしては、まことに変わった思いつきというべきでし