輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
風が冷たい。いつのまにか新春の日も昼をすぎて、行きついたその四ツ谷ご門あたりは飄々、颯々とめでためでたの正月風が、あわただしげに行きかわす中間小者折り助たちのすそを巻いて、御慶の声をのせながら吹き通りました。
「お寒う」
「おめでとう」
「ごきげんだね」
「お互いさまだよ。ことしもまたあいかわらず――」
「なんでえ! なんでえ! 何をいいやがるんだ。ことしもまたあいかわらず抜き打ちの右門流でこんなふうにたびたびどぎもをぬかれたひにゃ、お相手のおいらがたまらねえよ。やせるじゃねえか! ほんとうに!――どきな! どきな! じゃまっけだよ! へえい、ただいま――」
声を押し分けながら、八つ当たりに当たり散らして、黙然とあごをなでなで待ちうけていた名人の前へがちゃがちゃと駕籠を止めさせながらようやくに姿を見せたのは、寺社奉行所へお断わりにいった伝あにいです。
「早かったな。お奉行さまはなんておいいだ」
「どうもこうもねえんですよ。ほかならぬ右門のことなら、許す段ではない。詮議の筋があったら気ままにせいとおっしゃいましたがね、それにしても、いってえ――」
「なんだよ」
「とぼけなさんな! あっしに汗をかかせるばかりが能じゃねえんですよ。