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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

かりにそれが眼ちげえであっても、流儀の流れをうけた内弟子か門人か、どちらにしても、近親の若い女にちげえねえよ。ちげえねえとするなら、まず事のはじめに三人のやつらの家族調べ、人別改めをやって、下手人とにらんだ若い女のあるやつはどこのどれか、その眼をつけるが先じゃねえか。それをするなら寺だ。お寺だ。お寺の寺帳を調べてみたら、てっとり早くその人別がわかるはずだよ。どうだい、あにい。まだふにおちませんかね」

「はあてね。寺帳とね。亡者調べの過去帳なら話もわかるが、寺帳とはまた初耳だ。そんなものを調べたら、何のなにがし、娘が何人ござりますと、現世に生きている人間の人別がいちいちけえてあるんですかい」

「気をつけろ。お番所勤めをする者が、寺帳ぐれえをご存じなくてどうするんかい! 江戸に住まって江戸の人間になろうとするにゃ、ご藩士ご家中お大名仕えの者はいざ知らず、その他の者は、士農工商いずれであろうと、もよりもよりのお寺に人別届けをやって、だれそれ子どもが何人、父母いくつと寺受けをしてもらわなくちゃならねえおきてなんだ。さればこそ、まず四ツ谷から手始めに太田五斗兵衛のだんな寺へ押しかけて、やつに娘があるか、若い女の身寄りがあるか、その人別改めをするというのに、なんの不思議があるかよ。