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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
「寄るなッ、寄るなッ、寄ッちゃいかん! 寄るなッ。寄るなッ」
声をからしてつじ番所の小役人たちが必死としかっているその様子から、問題の死骸はその黒だかりの中にあることがひと目に察せられたので、名人は騒がずに近づきました。と同時に、いともとんきょうな音をあげたのはあいきょう者です。
「いけねえ! いけねえ! ね、ちょいと。やっぱり、わにぐちの下に死んでいるんですよ。ね、ほら、だらりとたれている下に伸びているじゃござんせんか。けさほど妙見堂で見た死骸もこのとおりでしたよ。こんなふうにあおむけにのけぞってね、のどから血あぶくを吹いて長くなっていたんですよ。どうもこりゃなんですぜ、いかにだんながなんといおうと、このだらりとたれているわにぐちが、ただものじゃねえですぜ。ええ、そうですとも! 物はためしなんだから、もういっぺん帯をここへたらして考えたほうが近道ですぜ。ね、ちょいと、え? だんな!」
うるさくいうのを聞き流しながらのぞいてみると、いかさまわにぐちのたれ布の真下に長々とのけぞっているのです。しかも、傷が尋常でない。槍傷でもなく、刀傷でもなく、俗にのど笛と称されている首筋の急所を大きくぐさりとえぐりとられて、さながらその傷口はざくろの実を思わするようなむごたらしさでした。