輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
こわきゃ先へ飛ばしな」
ゆうゆうとうち乗ったまま急がせて、ほどなく乗りつけたところは、並木町のかどのかざり屋から三軒めの、お蘭が宿下がりしているというそのしもた屋です。――同時でした。見えがくれにつけてきた足早男が、ちらりとそれを見届けるや、いっさんにまたいずれかへ姿を消しました。
「ウフフ。おいらを相手に回して、古風なまねをしていやがらあ、久しぶりにあざやかなところを見せるかね。ついてきな」
おどろきもせず、案内も請わずにずかずかはいっていくと、しいんと家のうちが静まり返っているのです。――と思われたその静かな屋内の奥から、よよとばかりに忍び泣く女のすすり音がきこえました。
声をたよりに奥へはいってみると、へやは内庭にのぞんだ離れの六畳。見る目も婉にくずおれ伏して、ひとりしんしんと泣きつづけていたのは、ひと目にそれとわかるお蘭です。
「おどしの手がもう回ったね」
えッ――というように、おどろき怪しみながら、ふり向いたお蘭の美しい泣き顔へ、さわやかに微笑を含んだ名人の声が注がれました。
「だいじょうぶ、幸助殿御から始終のことはもう承りましたよ」
「そういうあなたさまは!」