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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
いたわりながら数寄屋橋へ引き揚げていくと、舌をかみ切ってひくひくと苦悶している玉ころがし屋のそばで、ぼうぜんと失神したようにまごまごとしていたあば敬の前に、老婆をずいと押しやりながら、あっさりと一揖していいました。
「へえ、お待ちどうさま、おみやげでござんすよ、おばあさんに聞きゃわかるから、尋ねてごらんなさいな」
去ろうとしかけて、ふいっと何か思いついたように立ち止まると、にやにやしながら、改まっていいました。
「そうそう、いま思い出しました。朝ほどはわざわざ組屋敷のほうへご年始の催促に来ていただいて恐縮しましたね、ついでに、ここで申しておきましょう。明けましておめでとうござる。ことしもこんなぐあいに、あいかわらず――さようなら」
「ちぇッ。すっとしたね。ああ、たまらねえな。ね、敬だんな! ことしもこんなぐあいに、あいかわらずたアどうですかい。おらがだんなのせりふは、このとおり、こくがあるんですよ。ああ、たまらねえな。すっとしましたね」
伝六のよろこぶこと、溜飲をさげること!
「ほい! どきな! どきな! 初荷だよ! 初荷だよ!」
主従ふたりが戸を並べて出ていったその表の通りを、いなせに景気のいい江戸まえの初荷が、景気よくいなせに呼んで通りすぎました。