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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
「これこそ南蛮渡来の油薬、とくとごろうじませい」
叫びつつ火打ち石取り出して、五体かまわずに切り火を散らし放ったかと見えるや、全身たちまちぱっと火炎に包まれました。同時に、雪の庭へ駆けおりると、生き不動です、生き不動です。火に包まれた不動明王さながらの姿の中から、悲痛な絶叫を放ちました。
「弥七郎許せよ! そなたも焦熱地獄の苦しみうけて相果てた! せめてもの罪ほろぼしに、この泥斎も業火に身を焼いていま行くぞ! 許せよ! 許せよ! いま行くぞ!」
叫びを聞いたとみえて、そのときまでもなお土室の中に隠れすくんでいたらしいあの粂五郎が、まろびつころびつ駆けてくると、遠くからおろおろとして呼ばわりました。
「なにをなさります! おやじさま! そのありさまは、そのお姿は、なんとしたのでござります!」
あと先かまわず走り寄ろうとしたのを、
「行くでない! 寄るな! 行くな!」
身じろぎもせずに端座したままで名人右門が、ぴいんと胸にしみ入るような声もろともしかりつけました。
「死なせい! そちゆえに犯した罪を悔いての最期じゃ。名工の最期飾らせい!」
放たれた声といっしょに、断末魔迫ったか、ばたり、泥斎は火炎に包まれたまま、雪の庭にうっ伏しました。