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うもんとりものちょう

右門捕物帖(三)

佐々木 味津三

線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁

青空文庫

おまけに、ぺんぺん草がはえやがって、どこか気に入らねえお寺だね。……よッ。青坊主があっちで変なさしずをしておりますぜ!」

声にふり返って見ながめると、本堂の横の庭先で、いかさま年若いひとりの僧が、鳶人足らしい三、四人のいなせな男どもにさしずしながら、しきりと矢来杭を結わせているのが目にはいりました。しかも、その結いがきの中には、まぎれもなく六体の地蔵尊が見えるのです。

「ご僧」

静かにうしろへ近づくと、名人は物柔らかく、だが、その目の底になにものも見のがさぬさえた光をたたえて、静かにきき尋ねました。

「不思議なことをしておりますな」

「は……?」

不意を打たれて、いぶかるようにふり向いた若僧の姿をぎろりと見ると、年はまだ三十そこそこでありながら、その手にしている水晶の数珠には紫の絹ひもが通っているのです。――右門流がずばりと飛びました。

「真言宗の紫数珠は、たしか一寺一院をお持ちのしるしでござりますはず、ご住職でありましょうな」

「恐れ入りました。いかにも愚僧、当寺の住職蓮信と申す者でござります。あなたさまは?」

「八丁堀の右門にござる」

「おう! そうでござりましたか。