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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(三)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 241,558 字 · 480 頁
数珠つまぐって、静かに会釈しながら立ち去っていったのを見送るともなく見送ったその目に、はしなくも映ったのは、そこの本堂の前の階段口に、麗々と建てられてある次のごとき一札でした。
「紀州、ご本山よりご下向のご番僧説教日割りは、左記のとおり相定め候につき、お心得しかるべく候。
壱、参、五、七、四カ日に当山。
弐、四、六、八、四カ日は興照寺。
ただし朝五ツよりのこと」
「あにい!」
読み下すや同時です。ふいっと名人が不思議なことを尋ねました。
「きょうは幾日だっけな」
「へ……?」
「四月の何日かというんだよ」
「はてね。お待ちなさいよ。おついたちの赤のご飯をいただいたのはおとついだから、ええと――ちきしょう、三日なら三日といやいいんだ。まさしく四月の三日ですよ」
「ウフフ。そうかい。道理でな、蓮信上人、忙しくなりだしたとのたまわったよ。おいらも急に忙しくなりやがった。――来な!」
「ど、ど、どこへ行くんですかよ。いやだね、また急に伝六泣かせをお始めですか、三日なら何がどうしたというんですかい」
「決まってらあ。あそこの立て札にもちゃんと断わってあるじゃねえかよ。三日ならばこっちの説教日、こっちが説教日ならば川向こうは暇の日なんだ。