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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
表にこそはいくらか宵星のうっすらとしたほのあかりがありましたが、屋のうちはあんどん一つともっていないまっくらがりでしたのに、それなる不意の闖入者ばかりは、夜物が見えるふくろうの目玉でも備えつけているのか、鼻先をつままれてもわからないようなやみの中に寝ころがっている右門のさかやきが少々伸びているのを、さながら白昼のもとに見るかのごとくぴたりと言い当てましたものでしたから、したたかに肝を冷やして、むくり起き上がりざま、握るともなく蝋色鞘を握りしめていると、つづいて黒い影がさらに驚かすごとくまたいいました。
「お腰の物の下げ緒がゆるんでおいでのようですぜ」
じっさいまた下げ緒がゆるんでおりましたので、奇態な男のかさねがさねな奇態なことばに、いささか名人もあっけにとられていると、伝六のやつめがげらげらと笑いながら駆け上がってきて、そそくさあかりをつけていたようでしたが、得意そうにいいました。
「いかなだんなでも、今の隠し芸にゃ、ちょっと舌をお巻きなすったようでしたね。あの男がその本人なんだから、とっくりご覧なせえましよ」
庭先を指さしましたものでしたから、よくよく見ると、これがじつにどうもいいようのない男です。