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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
名人の胸中を早くも読んだものか、遠くもない天神下へ小走りに駆けだしていったものでしたから、そこの四つつじにたたずみながら、したくの整うのを待ちました。
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「これでようござんすか」
時を移さず姿をやつして、鳥追い笠に、あだめかしい緋色の裳裾をちらちらさせつつ、三味線片手にお由がやって参りましたので、名人は待ちうけながら、ただちに忍ガ岡目ざしました。
おりからお十三夜の豆名月は、秋空碧々として澄み渡った中天にさえまさり、宵風そよぐみぎわのあたり月光しぶく弁天の森、池面に銀波金波きらめき散って、座頭の妻の泣く名月の夜は、今がちょうど人の出盛りでした。
と――そこの池ノ端の柳の影から、高々と片手をあげて合い図したのは伝六です。気づかれないように近づきながらすかしてみると、それとも知らぬげに用人黒川と、こってり塗った質屋の若後家が、人目もはばからずに喃々喋々と、はなはだよろしくない艶語にうつつをぬかしている姿が目にはいりましたので、認めるや同時です。
「あの用人の野郎の懐中物をすっておくんなさい!」
「えッ!」
「あっしが許してお願いするんだ。遠慮なさらず、昔の腕を奮っておくんなさいよ」