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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
伝六ごときぞんざい者をもってしても、おのずと頭が下がるくらいのものでした。
「豆州か。お出迎えご苦労でござった」
「おことば恐れ入ってござります。道中つつがのうございまして、祝着至極にござります」
まことにどうもこの、豆州か、というような鷹揚で、威厳があって、それでいてじゅうぶんに親しみのある呼び方なぞというものは、お三家のかたででもなくては、なかなかこんなふうに板にはつかないものですが、しかるに、そのごあいさつのさいちゅうです。すこぶるいぶかしい大名駕籠が一丁、尾州侯のお行列を左に避けて、ちょうどそこの二また道になっていた八ツ山坂の坂道目ざしながら、逃げるようにすたすたと通りぬけました。金鋲打った飾り駕籠のあんばい、供侍らしい者を三、四名従えたぐあい、見ようによっては、二、三万石ぐらいの小大名がどこかその辺へおしのびでの通りすがりと見られましたが、逃げるように駆け抜けていった点がすこぶる不審でしたから、ちらりと認めるや同時で、ピカピカとその目を鋭く光らしたものは、余人ならぬわれらの捕物名人でした。
しかし、あいにくとそのとき、おふたりのごあいさつが終わって、尾州侯がふたたびお駕籠に召されながら、伊豆守様のお召し駕籠ともども、しずかにお行列が練りだしましたものでしたから、いぶかりながらもお見送り申しあげている