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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
線上閱讀佐々木 味津三《右門捕物帖(二)(うもんとりものちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 221,941 字 · 435 頁
時がたちゃ、こっちの色も変わらあ。痛み吟味に掛けねえのを自慢のおれだが、手間取らせると、きょうばかりは事が事だから、少々いてえかもしれんぜ」
「し、しかたがござりませぬ。では、もう申します。いかにもお供先を乱したのはてまえでござりまするが、でも、あの毒矢を射込んだおへやさまってえのは、こう見えてもあっしの昔の情婦なんでごぜえますよ」
「だいそれたことを申すなッ。かりにもご三家のお殿さまからお寵愛うけているお手かけさまだ。下司下郎の河原者なんかとは身分が違わあ」
「でも、あっしの情婦だったんだからしようがねえんです。できたのは一年まえの去年のことでしたが、駿河屋のおやじからは勘当うけるし、せっぱ詰まってとうとう江戸を売り、少しばかりの芸ごとを看板にして、名古屋表のこの一座の群れにはいっているうちに、お喜久といった茶屋女とねんごろになっちまったんです。するてえと、できてまもなく、ぜひにも百両こしらえてくれろと申しましたんで、八方苦しい思いをやって小判をそろえて持っていったら、それきり金だけねこばばきめて、どこかへどろんを決めてしまったんですよ。くやしかったが、人気稼業の者が、そんなぶざまを世間に知られちゃと、歯を食いしばってそのままにしているうちに、忘れもせぬついこないだの桃のお節句のときです。