輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

めいじんじごく

名人地獄

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《名人地獄(めいじんじごく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 149,286 字 · 301 頁

青空文庫

逢ってもみたし逢いたくなし。少し様子を探ってやれ」

で彼は西へ廻った。

この本邸の建て方は、中央に九郎右衛門の部屋があり、その部屋の四面を囲繞して、廊下がグルリと作られてあり、その廊下の隅々に、四つの部屋が出来ている。

で、次郎吉の立っていた所は、その北側の廊下であって、それを今西の方へ歩き出した。また平八の立っていた所は、南側の廊下であったが、それを今東へ歩き出した。

九郎右衛門の居間たるや、四方厚い石壁で、各の四隅に戸口はあったが、石壁の色と紛らわしく、発見することは不可能であった。

玻璃窓の平八は足を止めた。それは自分の反対側で、誰かこっそり歩いているとみえ、幽かな足音がしたからであった。しかしもちろん足音の主が、鼓賊だなどとは夢にも思わず、邸内の者だろうと想像した。

追いつ追われつ鼓賊と玻璃窓

「九郎右衛門には逢わなければならない。その他の者には逢いたくない。深夜に他家へ忍び込み、ウソウソ歩いているところを、とっ捉まえられたらそれっきりだ。泥棒といわれても仕方がない。しかし誰かに聞かないことには、九郎右衛門のありかは解らない。歩いているのは誰だろう? 九郎右衛門なら有難いが? いやいや恐らく召使いだろう。