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めいくんただゆき

名君忠之

夢野 久作

線上閱讀夢野 久作《名君忠之(めいくんただゆき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 15,683 字 · 32 頁

青空文庫

「祖父の白髪首級を、大目付に突き付けい。女どもの首と一所に……」

「……ハッ……」

「それでも許さねば……大目付を一太刀怨め……斬って……斬って斬死にせい……ブ……武士の意気地じゃ……早よう……早ようせい」

「……ハ……ハイ……」

六

忠之は上機嫌であった。

「ホホオ……その十四になる小伜がのう……」

大目付尾藤内記は紋服のまま、お茶室の片隅に平伏した。

「御意に御座りまする。祖父の昌秋と二人の側女の首級を三個、つなぎ合わせて、裸馬の首へ投げ懸けて、先刻手前役宅へ駈け込みまして、祖父の罪をお許し下されいと申入れまして御座りまする」

「……まあ……何という勇ましい……いじらしい……」

と炉の前で濃茶の手前を見せていたお秀の方が、感嘆の余りであろう。耳まで真赤に染めて眼をしばたたいた。忠之も嘆息した。

「フーム。途方もない小僧が居れば居るものじゃのう。昔話にも無いわい。それでその方は家名継続を許したか」

「ハハ。ともかくも御前にまいって取なして遣わす故、控えおれと申し聞けまして、そのまま出仕致しましたが」

「……たわけ奴がッ……」

と忠之は突然に大喝した。