輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

めいしょうまんげつ

名娼満月

夢野 久作

線上閱讀夢野 久作《名娼満月(めいしょうまんげつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 18,840 字 · 37 頁

青空文庫

ブラリと立出づる吹晒しの東海道。間道伝いに雪の箱根を越えて、下れば春近い駿河の海。富士の姿に満月の襟元を思い浮かめ、三保の松原に天女を抱き止めた伯竜の昔を羨み、駿府から岡部、藤枝を背後に、大井川の渡し賃に無けなしの懐中をはたいて、山道づたいの東海道。菊川の宿場に程近く、後になり先になって行く馬士どものワヤク話を聞くともなく聞いて行くうちに、銀之丞はフト耳を引っ立てて、並んで曳かれて行く馬の片陰に近付いた。声高く話す馬士どもの言葉を一句も聞き洩らすまいと腕を組み直し、笠を傾けて行った。

菊川の家並外れから右に入って小夜の中山を見ず。真直に一里半ばかり北へ上ると、俗に云う無間山こと倶利ヶ岳の中腹に、無間山、井遷寺という梵刹がある。この寺は昔、今川義元公が戦死者の菩提のために、わざと風景のよい山の中腹に建てられたもので、寺領も沢山に附いておったが、その後、信長公、秀吉公、東照宮様と代が変って来るうちに、その寺領もなくなり、久しく無住の荒れ寺となって、妖怪が出るというような噂まで立っていた。

ところがツイ二三年前のこと、甲州生れの大工上りとかいう全身に黥をした大入道で、三多羅和尚という豪傑坊主が、人々の噂を聞いて、一番俺がその妖怪を退治てくれようというのでその寺に住い込み、自分でそこ、ここを修繕して納まり返り、