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くれしゅうぞうせんせい

呉秀三先生

斎藤 茂吉

線上閱讀斎藤 茂吉《呉秀三先生(くれしゅうぞうせんせい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,151 字 · 9 頁

青空文庫

故正岡子規先生の『仰臥漫録』は、私の精神生活にはなくてかなわぬ書物の一つであった。

『仰臥漫録』の日々の筆録が明治三十四年九月に入って、「病人の息たえだえに秋の蚊帳」とか「病室に蚊帳の寒さや蚊の名残」とか、「糸瓜さへ仏になるぞ後るるな」などいうあわれな句が書いてあるようになって、その廿三日のくだりに、

九月廿三日。晴。寒暖計八十二度(午后三時) 未明ニ家人ヲ起シテ便通アリ。朝。ヌク飯三ワン。佃煮。ナラ漬。胡桃飴煮。便通及繃帯トリカヘ。腹猶張ル心持アリ。牛乳五合ココア入。小菓数個。午。堅魚ノサシミ。ミソ汁実ハ玉葱ト芋。粥三ワン。ナラ漬。佃煮。梨一ツ。葡萄四房。間食。牛乳五合ココア入。ココア湯。菓子パン小十数個。塩センベイ一、二枚。夕。焼鰮四尾。粥三ワン。フヂ豆。佃煮。ナラ漬。飴二切。巴里浅井氏ヨリ上ノ如キ手紙来ル。

こう書いてあって、そのうえの方にワットマン紙の水彩絵ハガキが張りつけてある。川の水が緩く流れていて、黒い色の目金橋が架かっている。その橋が水に映っているところである。その向うに翠の濃い山が見えて、左手には何かポプラアのような木が五、六本かいてある。