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てつがくにゅうもん

哲学入門

三木 清

線上閱讀三木 清《哲学入門(てつがくにゅうもん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 110,592 字 · 219 頁

青空文庫

客観的に見てゆくと相対的であるのほかないように見える知識の絶対性が示されるためには、主体的な見方が必要である。事実としても、知識の絶対性が問題になるのは主体的な立場においてであり、主体的な知識に関してである。客観的な知識に関しては、相対的であるのはむしろ当然のこととされ、それを率直に認めることが学者にふさわしい態度であるとされている。自己の説を絶対的と主張する科学者は疑いの眼をもって見られるであろう。しかるに哲学の如き、客観的に見ると最も多く異る思想が存在するものについて却って知識の絶対性が問題にされるのである。そのことは知識の絶対性が主体的に捉えられねばならぬことを示している。哲学は行為の立場における主体的知識である。主体的に見てゆくということは、歴史の外部から歴史を単に主観的に見るということではない、却って歴史はその本質において主体的に見られねばならないものである。科学の如き客観的な知識の探求も歴史的人間の行為としてはかように見られねばならず、それによってその探求に絶対的意味が認められる。客観的に見てゆくと相対的であることを免れないにしても、行為の立場に立てば、その時その状況において絶対的意味をもっているのである。