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よんじゅうはちにんめ

四十八人目

森田 草平

線上閱讀森田 草平《四十八人目(よんじゅうはちにんめ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 56,183 字 · 112 頁

青空文庫

これは吉良、上杉両家の近情を偵察するためで、内蔵助もそのころから主家の再興をしょせんおぼつかなしと見て、そろそろそれに処する道を講じておいたものらしい。で、前原は米屋五兵衛と変名して、相生町三丁目に店借りして、吉良邸の偵察に従事するし、神崎は美作屋善兵衛と名告って、上杉の白金の別墅にほど近い麻布谷町に一戸を構えた。これは上野介が浪士の復讐を恐れて、実子上杉弾正大弼綱憲の別邸に匿まわれているというような風評があったからにほかならない。が、それは風評だけに止まって、主として本所の邸に住んでいることが分ったので、おいおい同志が出府してくるころには、与五郎も谷町の店をしまって、前原の米屋の店へ同居することになった。そして、美作屋では、自分の生国から取ったものだけに、気が指したのか、あらためて小豆屋善兵衛と名告って、扇子や鬢つけの荷を背負いながら、日々吉良邸の内外を窺った。が、同邸でも見慣れぬ商人と見れば、いっさい邸内へ入れぬようにして、用心堅固に構えている。その中を潜ってはいりこもうとするのだから、こちらの苦心はひととおりでなかった。が、そんなことにあぐむような彼らでもなかった。