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あかげっと しなあちこち
国枝史郎歴史小説傑作選
国枝 史郎
線上閱讀国枝 史郎《国枝史郎歴史小説傑作選(あかげっと しなあちこち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 59,334 字 · 121 頁
ところが秦の王がその手にのらなかったので、蘇秦は、それでは合従の策を講じて秦をとっちめてやろうと、楚をはじめとして、六国の王に、その策を説いた。
合従の策というのは、六国が同盟して、六国の力で秦を亡ぼそうという策なのであった。
これは成功して、蘇秦は六国同盟の盟主となった。
ところが、秦が、その切崩しに着手し、これが成功して、間もなく合従は破れ、蘇秦は逃出した。
その後に又起こったのが、連衡の策で、それを成功させたのは蘇秦の友人の張儀という男であった。
張儀は、友人蘇秦の合従策が成功している間は、ノンビリと構えて、秦王に仕えて、何れにも仕事をしなかった。しかし、合従策が破れるや、僕の出場所だと云って、六国を順々に廻わって連衡策を説き成功させた。
ところが、これも間もなく破れ、六国は秦から離れて、バラバラとなった。
面白いのは、秦をはじめ、支那の六大強国が、そんなように合従したり連衡したりしたのは蘇秦と張儀の弁舌一つにかかわっていることである。
いかに、この二人の弁舌がすぐれていて、いかに、各国の王侯がそれに幻惑されたか。
ところで、この二人の説の根本をなすものは、孔子や孟子のように、先ず人間個々の身を修め、それから家を治め、しかる後に天下を大平にする――などという迂遠なものでは無く、のっけに、楚なら楚