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ちのしおぶんがくのしお

地の塩文学の塩

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《地の塩文学の塩(ちのしおぶんがくのしお)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 3,809 字 · 8 頁

青空文庫

武田麟太郎の作品が社会性において一歩をすすめ得ていたであろうか。

婦人作家が社会性を欠いているとして、そういう作品が文壇にある評価をまきおこしたとすれば、文学の問題としては、そのことに於てやはり男の作家の今日の文学の社会的な実質とも直接かかわっていることだと思われる。婦人作家のそういう存在でさえも何かを文学にもたらしたように思われたのならば、その意味では男の作家の文学も、日本の今日の同じ空の下の低さにおかれているというわけではないだろうか。文化の姿としてその点での大局からの究明がされてこそ初めて男の作家の社会性のひろさ、確さも云い得るのである。それに、現代文学の現実のなかではあらましに、婦人作家と総括は出来ず、婦人作家の中にも、社会的な芸術の素質でそれぞれこまかい相異がある。女というひと色で云えないことは、男の作家を男というひといろで云えないと全く同じことだと思う。未だ婦人作家というと、女というところで概括し、こんな場合何か男から女に向って物を云うという風に表現されて来るところも、文学の領域でさえそれの怪しまれないことも私たちが今日に持っている文化の性質を語っていると思う。