輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ちちゅうま
地中魔
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地中魔(ちちゅうま)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 24,599 字 · 50 頁
黒い煙や黄色い煙が色テープのように、横なぐりの風に吹き叩かれ、マストの上を、メラメラと赤い火焔が舌を出していた。
「金貨は?」課長は叫んだ。
「安全に正金銀行へ移しました」と波止場を警戒中の警部が駈けつけていった。
「そうか。では正金へ行こう」
一行の自動車は、正金へ又動き出した。二分とかからぬうちに、銀行の大玄関についた。
「金貨はどうした?」課長は又叫んだ。
「地下金庫に入れました。御安心下さい」
そこにいた警部が、挙手の敬礼をとって、自信ありげに答えた。
「そうか。それで安心した」
と課長は言葉と共に、額の汗を拭った。
暗闇の警備
その夜の正金銀行の警戒ほど厳重なものは無かったと思われる。
特別警察隊の腕きき警官が三十人と、横浜の警察の警官と刑事とが五十人と、合わせて八十人の警戒員は、大江山捜査課長の指揮のもとに、それこそ蟻のはい出る隙もないほどの大警戒に当った。
夜はシンシンと更けた。
「大丈夫かい」
「大丈夫にもなんにも、人一人やって来ないというわけさ」
警戒員同志が、暗闇の中でパッタリ突きあたると、お互いの顔を懐中電灯で照らし合いながらこんな会話をした。