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じごくのししゃ
地獄の使者
海野 十三
線上閱讀海野 十三《地獄の使者(じごくのししゃ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 75,419 字 · 152 頁
「ねえ、そうじゃないか。ピストルで撃たれて死んだのではなく心臓麻痺で死んだというが、それならそれで、裁判医から詳しく説明を受けないことには、われわれには一向に納得が行かない。そして捜査方針を改めて建直さにゃならない。だから訊問も捜査も一応中休みとして、明日の午前、裁判医を僕の部屋へ呼んで聴くことにする。時刻は九時半としよう」
検事のこの言葉に、一同は肯いた。
「検事さん。土居三津子が今護送されて、この邸へ到着する筈ですが、これはどうしますかね」
大寺警部が訊いた。
「それも同じことだ。死因がはっきりしないのに、その女を訊問しても仕様がないからね」
「ははあ」
大寺警部はちょっと不満のように見えた。
「じゃあ訊問しないで、廻れ右を命じますね」
検事は返事の代りに、首を縦に振った。
「分っているだろうが、事件の関係者はこの邸から外へ出さないことだ。亀之介、小林トメ、芝山宇平、本郷末子の四人だ。いいね」
現場係の巡査部長が、畏ってそれを承知した。それから長谷戸検事は、部下をひきつれて真先にこの邸を出ていった。帆村は椅子から立って、検事に軽く礼をしたが、検事はそれに気がつかないのか、すたすたとこの部屋を出ていった。