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ちきゅうをねらうもの

地球を狙う者

海野 十三

線上閱讀海野 十三《地球を狙う者(ちきゅうをねらうもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,493 字 · 30 頁

青空文庫

恐ろしい予感

大きなテーブルがぶーんととんできた。それがすむと、何十貫もあるモートルが木箱かなんぞのように楽々ととんできた。

僕はあっと叫んで体をかわした。めりめりとはげしい音がして、モートルが壁をぶちぬいた。おそろしい怪力である。これが六十老人の持つ腕力であろうかと僕は胆を潰した。

恐ろしい予感

博士は、仕損じたりと思ったのか、こんどは望遠鏡の鉄製の架台を手にもって、ぶんぶんふりまわしながら僕に迫ってきた。

「あっ、あぶない」

もうこれまでだと、僕は思った。この怪力におい迫られては、こっちの生命がない。僕はいつの間にか右手に、鞄の中にあった博士のピストルを握りしめていた。僕は、とうとう引金をひいた。轟然と銃声一発! 博士の身体がふらりと横に傾くと、その場にどーんと仆れてしまった。

「大隅さん、よく来てくだすったのね」

サチ子がとびついてきた。僕は息が切れて口もきけない。

「もうすこしのところで、博士に締め殺されるところでしたわ」

「ぼ、僕は、博士を撃ってしまった!」

「いいわ。だって正当防衛ですもの」

僕は博士の仆れているそばへよって、ひざまずいた。博士の身体をゆすぶったが、博士は、人形のように伸びたきりだ。