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こうふ

坑夫

夏目 漱石

線上閱讀夏目 漱石《坑夫(こうふ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 141,690 字 · 283 頁

青空文庫

ちょうど十五あった。十五下り尽しても、まだ初さんが見えないには驚いた。しかし幸い一本道だったから、どぎまぎしながらも、細い穴を這い出すと、ようやく初さんがいた。しかも、例のように無敵な文句は並べずに、

「どうだ苦しかったか」

と聞いてくれた。自分は全く苦しいんだから、

「苦しいです」

と答えた。次に初さんが、

「もう少しだ我慢しちゃ、どうだ」

と奨励した。次に自分は、

「また梯子があるんですか」

と聞いた。すると初さんが、

「ハハハハもう梯子はないよ。大丈夫だ」

と好意的の笑を洩らした。そこで自分も我慢のしついでだと観念して、また初さんの尻について行くと、また下りる。そうして下りるに従って路へ水が溜って来た。ぴちゃぴちゃと云う音がする。カンテラの灯で照らして見ると、下谷辺の溝渠が溢れたように、薄鼠になってだぶだぶしている。その泥水がまた馬鹿に冷たい。指の股が切られるようである。けれども一面の水だから、せっかく水を抜いた足を、また無惨にも水の中へ落さなくっちゃならない。片足を揚げると、五位鷺のようにそのままで立っていたくなる。それでも仕方なしに草鞋の裏を着けるとぴちゃりと云うが早いか、水際から、魚の鰭のような波が立つ。