輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ゆめのさつじん
夢の殺人
浜尾 四郎
線上閱讀浜尾 四郎《夢の殺人(ゆめのさつじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,670 字 · 26 頁
けれど彼女の方は割合大っぴらだった。他人がいてもはっきりと彼に好意を見せてくれた。是が又藤次郎にとってはひどく嬉しくもあり、はずかしくもあった。
斯うやって二ヶ月程は夢のようにたってしまった。ただ最後のものだけが残っていたのである。だが、之は藤次郎に最後の一線を越す勇気がなかったのではない、と少くも彼自身は考えていた。機会がなかったのである。機会さえあれは美代子は完全に彼のものとなっていたろう。彼はただ機会を待っていたのだ。
所が、今から半年程前に、彼にとって容易ならぬことが起った。即ち要之助の出現がそれであった。
要之助は、N亭の主人の遠い親戚の者であるが、今度店の手伝いとして、田舎からでて来たのだった。彼は真面目さに於いても、有望さに於いても殆ど藤次郎と匹敵した。然し其の容貌に於いて、藤次郎とは全く比較にならぬ程、優れていたのである。
藤次郎は決して立派な顔の持ち主ではなかった。実をいうと、彼が美代子に対して恋を打ち明けるのに、一番ひけ目を感じていたのは自分の顔であった。どう贔屓目に見ても彼を美男とは云えない。非常な醜男ではなかったけれど決して美しくはなかった。