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だいせんらんごのこくさいへいわ

大戦乱後の国際平和

大隈 重信

線上閱讀大隈 重信《大戦乱後の国際平和(だいせんらんごのこくさいへいわ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,219 字 · 11 頁

青空文庫

に感染せる残酷なる兵隊の群に入りて掠奪を事としたのである。ドレスデンの如きは、戦争に伴う悪疫にて住民の半分を失い、欧州の人民は殺人者より一転して食人種となり、刑場に推寄せて死刑に処せられたる囚人を食し、甚だしきは寺院の新仏を掘出して食するという始末となった。そこで、欧州は上元首より下輿丁に至るまで、戦争の禍害を自覚することとなった。グロチウスが平戦条規を出して天下を風靡し、ついにウェストファリヤの平和会議も開かれて、今日の欧州列国組織の基が出来たのである。また那翁戦争に依り欧州協調が出来て、ウェストファリヤ条約に依りて作られたる列国組織を一層鞏固にすることとなったのも、要するに大戦争の結果である。そこで、今回の大戦乱の如き古来無類の大戦争が、一層意味ある国際平和を生じ出すことは吾人の疑わぬところである。一層意味ある国際平和とは、前にもいった如く民族的の僻見を止め、列国相和するという国際平和である。要するに、世界大戦乱は主として独逸の軍国主義、侵略主義、今一層正確にいわば民族的僻見に基づく帝国主義によりて起ったものである。この民族的僻見を一掃することによりて、世界将来の国際平和は維持せらるるのである。