輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おおとりものせんにんつぼ

大捕物仙人壺

国枝 史郎

線上閱讀国枝 史郎《大捕物仙人壺(おおとりものせんにんつぼ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 47,606 字 · 97 頁

青空文庫

いやいやそれよりこうなってみれば、先ず何より自分自身の、安全を計らなければならなかった。

「戸を破るより仕方がない」そこで彼は全力を集め、裏戸へ体をぶっつけた。

途端に人声が聞こえてきた。

「こっちでござる。お入りなされ」

ギョッとして四辺を見廻すと、一筋の火光が天井から、斜に足許へ射していた。二階から来た燈火である。ぼんやりと梯子段も見えている。その梯子段の行き詰まりに、がんじょうな戸が立ててあり、それが細目にあけられた隙から火光が幽に洩れていた。

「それでは空家ではなかったのか」こう思うと彼は心強くなった。それと同時に案内も乞わず、他人の家へ入り込んだことが、申し訳なくも思われた。

「こちらへ」

という声が聞こえた。

そこで彼は階段を上った。

思わず彼はあっと云った。二階の部屋の光景が不思議を極めていたからであった。そこには十人の男がいた。一人は按摩、一人は瞽女、もう一人は琵琶師、もう一人は飴屋、更に、居合抜に扮したもの、更に独楽師に扮したもの、又は大工又は屑屋、後の二人は商人風に、縞の衣裳を着ていたが、いずれも鋭い眼光や、刀を左右に引き付けている様子で、武士であることが見て取られた。