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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,272 字 · 313 頁

青空文庫

自分が後れを取ったのは、つまり自分が力負けをしたものに過ぎない、不意を襲われたために、この小童にしてやられたのだ、用心してかかりさえすれば、なんの一捻りという気が先に立つのだから、負けていよいよ血迷うばかりで、彼我を見定めるの余裕があろうはずがありません。でも、この小童の手に持つ得物の、思いもつけぬ俊敏さに業が煮えたと見えて、三度目に起き直った時、路傍に有合わせた松丸太を握っていたのは、多分この丸太で、小童ともろともに、そのめまぐるしい得物を、微塵にカッ飛ばしてやろうとの了簡方と見えます。

この時、両側の店々では、戸を細目にあけたり、二階の上に立ったりして、街道中の騒動に眼をすましました。眼をすまして見ると、相手は相も変らず裸松だが、一人はホンの子供です。夕暮の町で遠くから見れば、米友の姿は、誰にも子供のようにしか見えないのだから、知らないこととはいいながら、気の強い子供もあればあったものと、舌を巻かないものはありません。

裸松が、その松丸太をブン廻してもり返した時に、米友は、また少しばかり後ろへさがって、その杖槍を正式に構えて、円い眼をクルクルと廻して、裸松を睨みつけていましたが、ブンブン振り廻して来る丸太の鋭鋒が当り難しと見たのか、じりじり後ろへさがるものですから、見ているものが気を揉み出すと、ウン