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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁

青空文庫

「そうら見ろ、言わねえこっちゃあねえ」

果して、果して、米友の睨みつけた町の大路の真中に、人間が一人、まさに斬られて倒されている。

百九十六

だから、言わないことじゃあない。こういうことがあってはならないために、こういうことをあらざらしめんがために、このおいらという人間が、よる夜中、こうしてところを嫌わずうろついているのだ。酔興で、昨日の晩も、今日の晩も、こうして眠い眼をこすりながら、ほうつき歩いているというわけじゃあねえんだぞ。

人間と名のつくものの一人でも、地獄へは落したくねえんだ。罪のある奴に、このうえ罪を重ねさせてやりたくねえければこそ、このおれはこうして、あてどもなく飛び歩いているんだぞ。

人の心も知らねえで、こいつがまた、こりゃ、どうしたというもんだ。口惜しいぞ、残念だぞ、もう一足早かりせば、ちぇッ、この足め!

米友は、ついに自らの足を憎んで、その足をもって、したたかに大地へ打ちつけました。この男、得意の地団駄です。得意のといっても、誰しも好んで地団駄を踏むものはない。地団駄というものは、残念無念の表情のやり場がなくて、大地に人間がわれと我が足をぶっつけて、遣悶焦燥する時に起る挙動なのです――内に燃ゆる義憤があって、その義憤が適当なはけ場を見出し得られないためしの多い米友は、