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だいぼさつとうげ
大菩薩峠
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁
「しかし、暗い方がまたかえってよろしい」
と田山白雲は、さのみ月光に執着を持っておりませんでした。それは月光そのものに浸染せんがためにうらぶれ出でたのではなく、かくうらぶれ出でたに就いては、別に何かの目的があってうらぶれ出でたところへ、偶然にもその景物として月が出ていてくれたのだから、月が姿を隠しても必ずしも自分の目的に外れるということはなく、かえってそこにはまた何かの利便をでも見出したかのように、月もよし、闇も更によし、というような気分で、最初の通り四方の山川草木を通して、平原の視野の限りに油断なき首筋を動かしているのです。
そうすると、柳田平治も語り出でんとする物語をさし置いて、同じような姿勢を以て四方の視野を監視の体です。二人の会話は途絶えました。
会話そのものもまた、月の光と同じく偶然の景物であって、二人は会談を為さんがためにここにうらぶれて来たのではなく、何物をか求めんがためにうらぶれ来って、そうして偶然のゆかりで会談の緒が切出されたまでのことですから、それが都合上、中断されようとも、継続されようとも、更に差支えはないのです。
そうしているうちに、田山白雲がまず口を切りました、