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だいぼさつとうげ

大菩薩峠

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 254,021 字 · 495 頁

青空文庫

すなわち短躯矮小の人物でありました。

田山白雲は、曾て何かの時の戯れに、「一寸丹心」と書くべきを、「一寸短身三尺剣」という戯画を描いて、極めて矮躯短身の壮士に、図抜けて長い刀を差させた一枚絵を描いて、平山行蔵に見せたことがある。

その一枚絵を思い出して、思わず微笑しないわけにはゆきませんでした。本来は、突然こういう微笑だけでは済まされない、まず取敢えず吹き出してしまったかも知れないのですが、今日のは、最初の出が緊張していた上に、鳴物入りの凄味まで加わってここへ来ているのですから、ただ若干の失笑を余儀なくされただけで、なお一心に事のなりゆきを見守っておりました。

長い刀は差し終ったが、脇差に至っては、その以前に手早く差し込んでしまったのか、或いはまだ差していないのか、その辺がわからないうちに、右の人物は鉄扇様のものを手に持って、太鼻緒の下駄を足に突っかけて、河原の石をガランゴロンと踏み分け、両肩を聳やかして、さっさと、逃げ隠れもわるびれもせずに、こちらへ向って闊歩して来るのであります。

白雲は、もはやこの男の人品骨柄から、衣類持ちものまでも見るのに遠眼鏡を要しません。